日本人の「正しさ」は、海外では通用しないことがある
──タイ・シラチャで水商売と
フィリピン・セブで飲食店を開業して痛感した思考様式の違い──
日本にいた頃から
うっすら感じていた違和感があった
海外に出てから
そして日本人同士を外側から見るようになって
その感覚はより強くなった
日本人の思考様式や価値観は
良し悪しの問題ではなく
かなり独特で 偏りがあると感じる
私は東南アジアで約16年間
個人事業主としてやってきたが
未だに そう感じることも多い
日本人は「予定通り」「規則通り」「筋が通る」ことを強く求める
日本人は
- 物事が予定通り進行すること
- 規則や制度、システムに沿っていること
- 話の筋が最初から最後まで一貫していること
を非常に重視する
もっと言うと
異常なまでに執着する(他のガイジンから日本人を見た場合)
しかも
それが少しでも崩れると
実害の大きさに関係なく
強い違和感や不快感を覚える傾向がある
この特性は、日本ではほとんど問題にならない
むしろ社会を円滑に回すための前提として機能している
もちろん 私自身も
この感覚は強いと思う
かつて
きっちりした会社に所属していたこともあるので
その頃にきっちり教育を受けたので
どちらかというと
上記の傾向が強い方だと自己分析する
筋が通らないことへの拒否反応は、時に攻撃的になる
日本人は「道理」や「正しさ」を大切にする
それ自体は間違いなく美徳だ
しかしその反面
- 最初の説明と違う
- 担当者によって言うことが変わる
- 手続きが予定より遅れる
といった事態に直面すると、
「おかしい」「あり得ない」「納得できない」と感情が一気に前に出る
そして、その感情はしばしば相手への圧や攻撃に変わる
私自身
わかっているつもりだが
そういう場面に遭遇すると
結構イラっとする 笑
緩い文化圏では「それって問題なの?」で終わる
タイや東南アジアような緩やかな文化圏では
日本人が強く反応するポイントが
そもそも問題として認識されていないことが多い
- 大勢に影響がない
- 自分の利益が大きく損なわれない
- 今日できなくても、明日できればいい
この程度の話であれば
「まあ いいじゃないか」
で終わる
日本人が真顔になっている場面でも
相手は「なぜ怒っているのか分からない」ということすらある
あのおっさん
なんであんなに怒ってんの??
と冷ややかな目で見られるだろう
一円単位のお釣りに表れる、日本的な秩序観
日本人が一円単位まできっちりお釣りを受け取ろうとするのは
少額でもお金が欲しいからではない
物事が“あるべき形”で終わらないことを許せない
この秩序観 完結性への強い執着が
日本人の行動には表れている
フィリピンのタクシーは
お釣りを渡さない場合が多いし
スーパーやコンビニで買い物をしても
釣銭切れなどは頻繁にある
そもそもお釣りなど用意していない場合もある
お釣りが無いので
商品の買い足しを要求されたこともある 笑
日本人からしたら
なぜそんな当たり前の準備ができないのか?
謎だし
準備不足により待たされると イラっとする
しかし 混沌を前提として生きている人たちから見ると
- 「そんな細かいこと、どうでもいい」
- 「面倒な人だな」
と映ってしまうことになると思う
善悪ではなく
世界の見え方そのものが違う
タイでの起業・開業は、この価値観の衝突から始まる
タイで起業・開業しようとすると
- 手続きは遅い
- 話は途中で変わる
- 担当者によって説明が違う
- 昨日はOKだったものが 今日はNGになる
こうしたことが日常的に起こる
日本の感覚のまま来ると
強いストレスを感じるのは避けられない
本当に大丈夫なのか?
疑心暗鬼になるのは間違いない
「怒る日本人」は、事態を悪化させるだけ
ここで多くの日本人がやってしまうのが「怒る」ことだ
しかしタイや東南アジアでは
- 怒っても物事は早く進まない
- 怒る人は「扱いにくい人」と見なされる
- 結果として後回しにされる
というケースがほとんどだ
正論をぶつけても状況は改善しない
我々の正論は
現地の人には全く理解されない
もっと言うと
我々日本人の感覚が特殊なのだ
何度も言うが
それが間違っているのではない
我々日本人の感覚は間違っていないと
私も考えるが
その感覚が
日本人以外には理解できないという話だ
日本人の常識は世界の非常識と
揶揄されることもあるが
それもまた
正しいと思う
バランスをとるのが正解
だと
私は考える
タイで必要なのは「正しさ」ではなく「通過力」
タイで起業・開業する上で重要なのは
- 理論
- 正論
- 完璧な整合性
よりも
どうやって前に進むかという視点だ
多少話が違っても
多少遅れても
一度受け止めて 次の一手を考える
これは妥協ではない
現地で生き残るための現実的な判断だ
思考を切り替えられる人だけが残る
タイで事業を継続できる日本人には共通点がある
- 正しさにこだわりすぎない
- 致命的でなければ流す
- 感情的にならない
- 笑顔で淡々と対応する
この切り替えができた人だけが
長く続けられる
もしくは
それらを代わりにやってくれる現地人を見つける
なのだが
そういった人材と巡り合う確率は
宝くじを当てるのと同じくらい
低い確率だと思う
おわりに
日本人の価値観は
日本という社会では非常に強力な武器になる
だが
その武器は海外では足枷にもなり得る
タイで起業・開業するということは
会社や店を作ること以上に
自分自身の思考様式を調整することでもある
簡単に言うと
アンガーコントロールなのかもしれない
それができたとき
タイという国は意外なほど居心地の良い場所になる
かもしれない
知らんけど…………笑
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